旅とは
旅行とはなんだろうか。広辞苑には、
旅とは、住む土地を離れて、一時他の土地に行くこと。旅行。
広辞苑 第六版、p. 12308【旅】
古くは必ずしも遠い土地に行くことに限らず、住居を離れることをすべて「たび」と言った。
要は、家という空間から移動できればそれは旅であると言えると思う。しかし、実際には生活圏から離れると言ったほうが適切だと思う。自分の場合だとおよそ家から半径100kmを超えると旅行だと考えている。そうなると伝えづらいが、ワクワクしてくる。
その理由としては、日常の不安から解放されたり、何かその地域特有の風景だったり非日常が得られるからだと思う。結局のところ非日常という要素が大きいと思う。聞き慣れない方言や駅名、山間の街、見慣れない電車の座席配置。そしてこれは非現実とも言えると思う。大げさかもしれないが、自分が住むところとは、文化も産業も景色も食生活も違う。海外であれば尚更だ。
言いたいのは、旅行は非現実であり、夢のようなものだと思う。それまで日常で抱えていた悩みや見慣れた風景も存在せず、勝手に用意された新たな秩序の中で生きていくこと。しかし実際には現実の一部であり、旅先で話しかけたくらいでは元の生活に影響を及ぼさないが、犯罪を犯したともなれば別である。また、本気で旅行している人はSNSでの連絡を断つかもしれないが、自分にその覚悟はない。
非現実感
ところで、非現実感は旅行で得られる以外にも、離人感や現実感消失症といった精神病として現れることも多い。主として強いストレスが存在しその適応としてこの病を罹患することが多いそうだ。更にこの病はうつ病を併発することも多いらしい。個人的には精神医学的に面白いと思ってしまうが当事者の話を聞くと大変だとも思う。結局は自我の連続性が失われることで起こるらしい。記憶が無い訳ではないのに、趣味や嗜好も同じであって毎日似たような生活をしていても主体的な同一性が保たれないのは自我ってなんだろうとなる….←これは別にどこかで。だが、旅行でもある程度の離人感は特に一人旅だと感じる(一人旅しかしたことないが)。誰からも必要とされず必要とせず、目の前には見慣れない光景があり、時が進んでいく。これは程よい離人感だと思う。むしろ離人感を楽しむこともある。
非現実感と似たものに(逆)カルチャーショックがある。これは自分も1週間のアメリカでのホームステイで体験したことがある。現地の高校に行くと服は皆バラバラ、スマホもし放題、クラスが存在しない、国旗が全ての教室にあり毎週水曜日だったか朝に1分程度の合衆国への忠誠の誓いを述べる。また映画に出てきそうな欧米の家ですぐ近くには荒原、人種も多様で人が生き生きとしていて個性があって…というような具合でこれが初めての海外だった。他に中国だと共産党支配・町中に最新技術(QR決済・顔認識・レンタル自転車)が溢れいることを実感したり。韓国も行ったが、反日本・反格差・セウォル号沈没事故展示・独立記念日などを見て市民の力が強い国だと思った。アメリカは一見すると自由な国とも言えるが、人種差別・格差・銃社会・監視社会・薬物中毒者・治安など多くの課題が…と帰ってきて数年経ってやっと気付いた。
魅力的な非日常であるがゆえに帰ってきたくなくなるという、夢から覚めた後の感じはまさにこうだと思う。
これに限らず、それぞれの社会は様々な違った構造を抱えながらも存在している。そしてその地を訪れることで、その構造を発見することも旅ならではと思う。例えば福井はメガネが多いとか、九州は女性・子供が多いとか、徳島はかなり関西弁とか、鹿児島はパチンコが多いとか、言葉にしようがない沖縄の南国の雰囲気など。自分の中にあった偏見との答え合わせが面白い。
そしてまた、旅行は物語だと思う、人生も物語だと思う←なに達観してるんだ
思い入れがあって旅をしている訳だし、古事記(歴史というより神話)に沿って旅をするのでも誰かに会うのでも、京都など歴史的なロマンを巡るのでも。その中で達成感だとか、今日はここに行ったから明日はここに行こうという、何か旅の中で目標を作って達成していくのも面白い。自分の場合は節約しつつ野宿というのも楽しい。物語なので何があっても楽しめる。
放浪
また、話は変わるが親からは放浪の旅とも言われる。放浪の旅をする人の特徴は
1 放浪癖がある人の心理
https://hitosagashi-pro.com/columns/69
1.1 自分が落ち着ける場所に行きたい
1.2 好意的に感じる人のそばにいたい
1.3 自由でいたい
などとも出てくる。
放浪をするのは何にも縛られないノマド的で美しいと言われるかもしれないが、自分がしているのは厳密には違う。旅をしているのに何かに縛られている。だから帰る時はスキゾ的に潔く颯爽と帰る訳でもない。本当の意味で自由になれる日は来るのだろうか←それっぽく言うな
ともあれ、宮崎のバカンスぶりは良かった。やはり住むなら南国だと思った。少なくとも関東内陸よりは涼しい。沖縄ほど人口密度も高くない。カナリーヤシ(フェニックス)の木が連なるフェニックスロードの雰囲気も良かった。コンパクトシティで通勤時間も都道府県ランキング45位。住む場所を探す旅行としては最高だった。
改めて旅行の醍醐味を振り返ると、
前も言いましたが旅行でエモい瞬間は
1位ー野宿で朝起きた時(どんなに周囲が酷くても、寝て起きれば同じなため。)
2位ーカラオケで寝る時(地元民が熱唱するのを聞きながら寝るのは、エモい。ワイの心情が歌われているみたい)
3位ー終電直前の電車(何があっても次の駅で降りるぞという)
4位ー出発の瞬間(言わずもがな)
5位ー目的地に着いた時(目標達成)
6位ー都道府県境を越えたとき
7位ーその県のナショナリズムを感じた時
8位ー地元民になりすましてる時
9位ー旅行者地元民との会話
旅行の醍醐味というのは野宿をした時に、寒さ・大雨で絶対寝られないだろwと言いながらいつの間にか寝ていてアラームが鳴って朝が来て、おお無事に夜をやり過ごした、そして目を開けるとここはどこだ?そうか大自然で野宿!一日の始まり!さて何をしようって思った瞬間だと思ってる。
旅行で疲れすぎて野宿する時、限界が近くなると木の黒いシルエットがワイを馬鹿にしてるような幻覚を見ることがある
  
  
  
  

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